西山の桜特集!
京都・西山は,平安時代,花をこよなく愛した西行(さいぎょう)が勝持寺(花の寺)で出家し,桜を手植えしたり(西行桜),南北朝時代には,佐々木道誉(ささきどうよ)が盛大な花見を催すなど,かつては桜を中心とした文化が花開いた地域でした。また,小畑川には約800本の桜が立ち並ぶほか,十輪寺の「なりひら桜」,善峯寺の「桂昌院(けいしょういん)のお手植え桜」など,歴史にまつわる桜も数多くあります。
そんな西山の桜の見どころを紹介します。
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勝持寺
『西行桜』
桜をこよなく愛した歌人:
西行(さいぎょう)法師自ら
が手植えした八重桜
さい君
(西行法師のイメキャラ)
勝持寺は「花の寺」とも呼ばれ,約100本の桜で全山が埋もれる様子は圧巻のひとこと。
その中でもひときわ目を引く綺麗な桜が,古の歌人「西行(さいぎょう)」自らが手植えした「西行桜(さいぎょうざくら)」。
あまりの美しさから,世阿弥(ぜあみ)による能楽作品「西行桜」が生まれ,今なお上演されている。
応仁の乱によってほとんど焼失した勝持寺。唯一焼けず残った仁王門は,当寺最古の建造物となっている。緑に囲まれた静かな空間にそびえ立つ仁王門は,圧倒的な迫力を感じずにはいられない。本堂の外に座る賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)は,身体の患部と像の同じ部分を互いに撫でると治るとの噂。
西国四十九薬師霊場第四十二番札所。
天台宗 勝持寺(通称:花の寺)
所 在:京都市西京区大原野南春日町1194
電 話:075-331-0601
拝観時間:9:30~16:30(受付16:00終了)
拝 観 料:大人400円,中高生300円,小学生200円
駐 車 場:30台
本 尊:薬師如来
大原野神社
『千眼桜』
運良く満開の千眼桜を見られれば
千の願いが叶う。
『まるで眼みたい!』,そんな声が聞こえそう。そこでついた呼び名が千眼桜(せんがんざくら)。
ぼんぼりのように花が咲くこの千眼桜は,満開から3日ほどで散ってしまう「まぼろしの桜」。
運良く満開の桜を見れれば千の願いが叶うとか叶わないとか…。
奈良の春日大社から分けられた神社であり,別名は「京春日」。鹿が神の使いとされ,本殿前では狛犬ではなく狛鹿が見守っている。鹿が咥えた巻物から水が出る手水舎も必見。
台風で折れた樹齢約500年のモミの木がパワースポットになっており,中で写真を撮る参拝者も多く,新たな見どころとして注目。
平安時代,朝廷から特別に選ばれた二十二社の一社。
大原野神社
所 在:京都市西京区大原野南春日町1152
電 話:075-331-0014
拝観時間:9:00~17:00
拝 観 料:無料
駐 車 場:バス5台(2,000円),自家用車90台(500円)
正法寺
『鳥獣の石庭の
しだれ桜』
動物や鳥に見立てた
石と桜のコントラスト
石庭を見ずには帰れない正法寺。動物や鳥に見立てた石があちこちにある「鳥獣の石庭」としだれ桜のコントラストはまるで絵画の中にいるような錯覚を引き起こす。
天気が良ければ遥か東山連峰まで見渡すことが可能。
境内には合計約600トンもの巨石があり,通称「石の寺」と呼ばれる。境内にあるレトロな建物は遍照塔(へんじょうとう)。塔の中にあるたくさんのミニ仏像や天井の仏画が作り出す趣ある空間は一見の価値あり。
桜の季節は,塔の朱色に濃いピンクの彩りを添えた姿が美しく,思わずシャッターを押してします。
西国四十九薬師霊場第四十一番札所
真言宗 正法寺(通称:石の寺)
所 在:京都市西京区大原野南春日町1102
電 話:075-331-0105
拝観時間:9:00~17:00
拝 観 料:300円
駐 車 場:40台
本 尊:三面千手観世音菩薩
十輪寺
『なりひら桜』
天を覆うかのごとく咲きほこる
「天蓋の桜」。
元祖イケメンとして名を馳せる「在原業平(ありわらのなりひら)」。その名を引き継ぐ荘厳な桜が「なりひら桜」。樹齢約200年のしだれ桜が,天を覆う翼のごとく咲く姿から「天蓋(てんがい)の桜」とも呼ばれている。『彼の息吹が聞こえる』,そんな気にさせてくれる桜。
在原業平が難波(なにわ)の海水を運んで塩焼の風情を楽しんでいたとされる塩釜跡は必見。この塩釜で紫の煙を立ち上げ,恋人に思いを託したというロマンチックな話も。
テレビにも出演したことのある寺の愛猫「序音(じょね)」ちゃんは,皆から愛される看板猫。参拝のあとは愛情いっぱいの猫御朱印をいただいてみては。
京都洛西観音霊場第三番札所。
なり様
(在原業平のイメキャラ)
天台宗 十輪寺(通称:なりひら寺)
所 在:京都市西京区大原野小塩町481
電 話:075-331-0154
拝観時間:9:00~17:00
拝 観 料:400円
駐 車 場:15台
本 尊:延命地蔵菩薩
善峯寺
『桂昌院しだれ桜』
樹齢300年にもなるしだれ桜。
桜と楓の合体木。
山全体が寺域という広大なお寺に咲き乱れる桜。その中で経堂のそばに咲くのが「桂昌院(けいしょういん)しだれ桜」。桂昌院お手植えと伝わる樹齢300年にもなるめずらしい桜と楓の合体木は必見。
お玉ちゃん
(桂昌院のイメキャラ)
国の天然記念物「遊龍の松」は,なんと樹齢600年以上。全長は37mあり,日本一の松とも呼ばれている。青々と横に伸びた松は,まさに龍が這う姿のようで見事。京都市街や比叡山を一望できる京都随一の絶景は,時が経つのを忘れてしまう。
阪神淡路大震災の際,高速道路から辛うじて落ちなかったバスの運転手が持っていたのがここのお守りで,現在は「おちないお守り」として評判。
西国三十三所観音霊場第二十番札所。
天台宗単立 善峯寺
所 在:京都市西京区大原野小塩町1372
電 話:075-331-0020
拝観時間:8:00~17:00(16:45受付終了)
(4月1日以降は平日のみ8:30~)
拝 観 料:大人500円 高校生300円 小・中学生200円
駐 車 場:山門前駐車場(参拝者専用)普通車150台(500円)
本 尊:千手観世音菩薩
楊谷寺
『陽光桜』
平和への願いを込めた陽光桜
柳谷観音(楊谷寺)は,清水寺を開いた延鎮(えんちん)僧都が開いたお寺。
春には100本もの陽光桜が鮮やかな濃いピンク色の花を咲かせる。
また樹齢100年になる大きなソメイヨシノも魅力の一つ。
境内では弘法大師(空海)が眼病に効く御霊水とした独鈷水(おこうずい)をいただくことができるほか,大人気の花手水(はなちょうず)はインスタ映え必至。
毎月17日に開催される縁日も是非訪れたい。
新西国三十三箇所第十七番札所
西山浄土宗 柳谷観音(楊谷寺)
所 在:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
電 話:075-956-0017
開門時間:9:00~16:00(最終受付16:00)
拝 観 料:無料
駐 車 場:あり ※アクセス等,詳しくは公式HPを御覧ください。
本 尊:十一面千手千眼観音菩薩
小畑川の桜並木
ソメイヨシノを中心に800本超えの桜並木
洛西ニュータウンの中央を流れる小畑川沿いは,市内でも有数の桜並木。
穏やかな川のせせらぎを聴きながら,川沿いを散歩するのはまさに贅沢の一言。特に竹の里本通り北側は見ごたえあり。
この春は,密にならずに楽しめる桜並木に是非足を運んでみては。
小畑川の桜並木
所 在:京都市西京区大枝東新林町二丁目付近
アクセス:京都市バス,ヤサカバス「境谷大橋」下車徒歩約1分
「洛西バスターミナル」下車徒歩約2分
境谷公園の
シダレザクラ
洛西ニュータウンの真ん中で
まちとともに歴史を刻むシダレザクラ
洛西ニュータウンの真ん中に位置する境谷公園で堂々とたたずむシダレザクラ。
公園で遊ぶ親子連れや年配の方々も思わず足を止める美しさ。
ニュータウンの中は自転車と歩行者専用の道「緑道(りょくどう)」が整備されており,車に会うことなくまちをグルリと散策できるので,春の息吹を感じながらウォーキングする際は必見。
境谷公園のシダレザクラ
所 在:京都市西京区大原野東境谷町一丁目
アクセス:京都市バス,ヤサカバス「洛西バスターミナル」下車徒歩約4分
「境谷大橋」下車徒歩約6分
洛西高校沿いの桜
学生たちの出会いと巣立ちを見守る桜
洛西ニュータウンにある京都府立洛西高等学校。そのグラウンドの東側と南側を彩る桜は高校生たちや住民たちにも愛されている密かな絶景スポット。
高校の東側の新林本通りから誰でも観ることができるので,近くを通るときは是非押さえておきたい。
洛西高校沿いの桜
所 在:京都市西京区大原野西境谷町一丁目12-1・2 京都府立洛西高等学校近く
アクセス:京都市バス,ヤサカバス「洛西高校前」下車すぐ
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